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ユビキタス辛口辻説法の広場~24時間いつでも、どこでも、どこからでも~

ユビキタス辛口辻説法の広場~24時間いつでも、どこでも、どこからでも~

WEB俳句ユビキタス広場

今年(平成16年=2004年)も、次々と
大型台風が列島に上陸して、多大な人的・物的損害を
わが国にもたらした。そして、更なる新潟中越激震
大地震が発生した。

さらに、12月26日に発生したスマトラ島沖巨大地震と極限の
超巨大津波による、犠牲者の数20万余人だ。

下記は、今から7年前の平成9年夏のある日書き上げた
私の俳句に対する信念・理念である。

この地球に”俳句指向ライフスタイル”の輪が広がり、
自然との「共生」という方向を辿るのであれば21世紀は、
その輪のもつ質と量において,俳人は平和の実現に
大きな貢献をするであろう。

俳句指向ライフスタイルの背景;

私どもは春夏秋冬のほかに、一日の中にも四季がある
変わり易い気候風土の中に生活している。

ある時はとてつもなく寒く、ある日は湿度が高く
気温の高い日である。毎年例外なくどこかに破壊的な
台風が上陸して大きな被害を及ぼしている。

熊本普賢岳の噴火や津波、大雨、竜巻が多大な破壊をもたらし
ライフラインを寸断する。旱魃や日照不足は水道水の不足を来し、
農産物に被害を与えている。そして最も甚大なのは誰もが
予想だにしなかった阪神大震災である。北海道の古平の
トンネル崩落バス事故での人命の損失があった。
近代文明の世界においても、いずれの国もこうした
災害は避けられないだろう。また、
世界で最も安全といわれている日本社会にも、
人間が人間を標的にしたサリンのような事件が発生した。

さて、 芭蕉の時代にさか上ってみよう。
この時代に生きた人々は容赦のない災害に抗えず非常に
脆い人生を送ったであろう。将来に絶望して現実社会を
逃れたりして隠遁した。封建時代には圧倒的多数の人々は
貧困の生活であって無気力と諦め、惰性と、怠惰と廃退に
生き過酷な毎日を過ごした。
しかしながら、芭蕉は彼の運命にたいしてそうは悲観的では
なかった。

逆に彼は 尊敬と畏敬をもって積極的に自然と接し自然と
一体というライフスタイルをもって結果的に、日常の
世俗的出来事や悲しみを乗り越えてきた。

私たちが、芭蕉の俳句について語るとき、えてしてわび、
さび、しぶみに焦点を当てがちである。

芭蕉の今一つの重要な一面は彼のライフスタイル、
特に晩年のものは 俳句指向的人生 であったと
言えないだろうか。
そうした彼の生活での確固とした使命は唯単に優れた
俳句を作るだけでなく禅の深淵なる瞑想を背景に、
自然から多くを学びつつ前向きで積極的な姿勢で
真っ正面から毎日の試練と向き合った点にある。

芭蕉は生涯でわずか1、100句しか俳句を残さなかった。
いずれも、計り知れない価値の作品である。

これに比べてもう一人の江戸時代の俳句の巨匠小林一茶は
10、000句以上を発表している。この数の差は
それぞれのライフスタイルの差では無かったか。

芭蕉は自分が俳句を作るときはこれが生涯最後の作品、
つまり遺言の俳句であるかのように生涯を賭けたものであった。

こうした芭蕉の俳句指向人生は弟子に支持されたことは勿論
広く大衆にも支持された。彼は、精神的、肉体的にきわめて
脆い生活の中にあって遭遇する幾多の試練をどう乗り切るか
について模範を示したのである。
(芭蕉の思想や行動がどのようであれ彼こそが俳句指向
ライフスタイルの実践者であった。)

私の俳句哲学

国際俳人は国境や民族、種族を越えて、かつ文化的、伝統的に
異なる背景を相互に認め合い、横断的な俳句指向人生を
展開してゆこうと言うのである。

これによって人と人との間や人類と自然、動植物の間に真の
共生“Symbiosis”、“Co-existance”
が実現する。

これこそが地球規模で成り立ち真の世界平和へと
拡大貢献するであろう。

それでは俳句指向的ライフスタイルとはいかなるものか
を列記したい。

1. 俳人一人一人が、自然や動植物、人間と「共生」
“ Symbiosis"すると の認識のもと、豊かな人生を
過ごすに何か価値あるものを、自然への  
尊敬と畏敬から学ぶこと

2. 春夏秋冬の自然の営み、天然、地誌、動物、
植物界の変化に鋭い観察と好奇心を常に抱いていること、

自国の樹木や花を慈しみ伝統行事や、国民の祭日、
ローカルの伝統ある祭りの意味をよく承知すること、

私たちの先人がこれらの季節感について整理分類を
したものが歳時記であり、俳句指向人生において
これら季語をいかに活用するか歳時記は示してくれている。

3. これら実践を通して偉大なる力(Mighty)を認知し
、勇気付けられ日常の世俗世界の出来事であるさまざまな
障害を乗り越える力を獲得する俳人が、感性が呼び覚まされ、
鼓舞されより詩的または俳句的に、自然や物事の本質、
真実の把握ができるようになる。

現代生活では、キャベツやキュウ、レタッスはいつでも
食卓にあがる、がこれら野菜の本来のサイクルと
季節を忘れてはならない

4. 毎日毎日を精いっぱいに努力すること、後悔を
次の日に先延ばししないこと

5. 俳句指向人生は創造的で、指針に富んだ前向きで、
建設的なものである

6. それら人生を通してこそ真に優れた、影響力ある
俳句が生まれるであろう。

これからの俳人に求められるのはこうしたライフスタイルでは
なかろうか。
そうでないと、俳句そのものが老齢化し、活力を無くし、
陳腐化し自己崩壊を自ら招くこととなろう。
俳人の男女比率が逆転するのどうのといっている場合ではない。
俳句指向ライフスタイルこそが俳句が本来持っている
バイタリテイーでありこれを取り戻さないでは俳句の将来は暗く、
若い世代は何の魅力も感じないであろう。
共生の中に、真実を、原理を、本質を瞬時に把握し理解し
短詩型に表現できる力を持っている俳人の輪の広がりを
心から望んでいる。

自然を敬うライフスタイルは、人類愛、家族愛にも繋がり
穏やかで、落ち着いた社会・国家の創生にかせない要素だ。





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